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輸液フィルターは、細菌、真菌などのトラップ、不溶性の微小異物の除去、配合変化で生じた沈澱物および気泡などの除去を目的として使用される。
フィルターを通してはならない注射薬としては、フィルターの孔径(通常0.2μm)より粒子の大きな薬剤や、フィルターに吸着される薬剤などがあげられます。
具体的な注射薬を下記に示します。

輸液フィルター孔径(0.2μm)より粒子が大きい薬剤 anchor.png

・血漿分画製剤:アルブミン製剤、グロブリン製剤など
・粘度の高い輸液製剤:グリセオール、デキストラン (孔径0.2μmのフィルターを通過するが粘性があるため時間がかかる)
・油性製剤:ビタミンA、ビタミンD、サンディミュン
・リポ化製剤:リプル、ロピオン、パルクス
・脂肪乳剤:イントラリポス、イントラリピッド、ディプリバン、プロポフォール、ミキシッドなど
・コロイド製剤:ファンギゾン、フェジン
・リポソーム製剤:アムビゾーム点滴静注用50mg (孔径1.2μmの脂肪乳化剤用フィルターならOK)
・抗悪性腫瘍薬:サンラビン

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フィルターに吸着する薬剤 anchor.png

投与する輸液中の薬剤濃度が5μg/mL以下あるいは、1日の総投与量が5mg以下の場合(G-CSF製剤など)は、
フィルターの通過の可否が確認できてから使用すること(米国委員会[NCCLVP]基準)
・G-CSF製剤:グラン、ノイトロジン注、ノイアップ注
・抗悪性腫瘍薬:オンコビン、エクザール
・インスリン製剤 (フィルターの材質、添加薬剤により吸着率が変動)

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フィルター自体を変性させる薬剤 anchor.png

患者側に近いフィルターより下流のゴム栓より刺針して注入する。
・抗悪性腫瘍薬:ラステット、ペプシド

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その他 anchor.png

・ケイツーN静注用 (可溶化剤として精製ダイズレシチンを使用しており、他の薬剤との配合変化により可溶化力が低下し配合変化を起こすことがある。ファイナルフィルターを使用し点滴静注すると、通常より早くフィルターの目詰まりを起こす可能性がある)

 
注意事項
★1.2μmフィルターでは沈殿物、脂肪の凝集塊の除去、カンジダ・アルビカンスなどの比較的大きい微生物の除去に有用であり、静脈炎の防止につながる。
★中心静脈ラインから化学療法を施行されている状況下では、薬剤配合変化による沈殿物の除去目的にフィルターは有効であるといわれている(FDA<米国食品医薬品局>やASPENガイドラインによる奨励)。

参考文献
東海林 徹 他:注射薬配合変化Q&A−根拠でわかる注射・輸液配合変化時の事故防止対策ー,株式会社じほう,東京,2010,pp83-85
D.I.News(ヒロシマ)Vol.35,No.4,2007,pp24-27
プチナースの広場2012年5月10日アクセス


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Last-modified: 2012-05-11 (Fri) 10:30:24 (JST) (4038d) by arakawa